インターネットが生活に欠かせないものになった今、私たちの身の回りにはさまざまなサイバー攻撃の危険が潜んでいます。
「不正アクセス」「フィッシング詐欺」「ランサムウェア」など、ニュースで耳にするけれど、その手口や種類を正確に理解できていますか?ITパスポート試験では、これらのセキュリティ脅威に関する知識が頻繁に問われます。
この記事では、IT初心者のあなたでもすぐに理解できるように、代表的なサイバー攻撃の手口と、それらから身を守るための対策を分かりやすく解説します。
サイバー攻撃は「目的」と「手口」で理解する
サイバー攻撃には多くの種類がありますが、大きく2つの視点から整理すると理解しやすくなります。
- 攻撃の目的: 攻撃者が何を得たいのか。
- 攻撃の手口: 目的を達成するために、どのような方法を使うのか。
この記事では、ITパスポートで特によく問われる代表的な攻撃を5つご紹介します。
1. パスワードを盗む「パスワードクラック」
攻撃者が他人のパスワードを不正に割り出す攻撃です。
- 手口1:総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)
- パスワードになりそうな文字の組み合わせを、一つずつ総当たりで試していく手口です。単純ですが、パスワードが短い場合は効果的です。
- 手口2:辞書攻撃(ディクショナリアタック)
- 辞書に載っている単語やよく使われるパスワード(例: password123, 123456など)を大量に試す手口です。
- 手口3:リスト型攻撃
- 過去に流出したIDやパスワードのリストを使い、他のサービスへのログインを試みる手口です。一つのサービスから情報が漏れると、他のサービスも危険にさらされる可能性があります。
- 複雑なパスワードを設定する: 英数字や記号を組み合わせた、推測されにくいパスワードを使いましょう。
- 二段階認証・多要素認証を利用する: パスワードだけでなく、スマートフォンに届く認証コードなど、複数の認証を組み合わせることでセキュリティを大幅に強化できます。
2. 人をだます「フィッシング詐欺」
実在する企業やサービスを装ったメールやSMSを送りつけ、偽のウェブサイトに誘導し、個人情報やクレジットカード情報を盗み取る手口です。
- 手口:
- 「あなたのクレジットカードが不正利用されています。以下のリンクから確認してください。」
- 「アカウント情報が古くなっています。本人確認のため、パスワードを再入力してください。」
- 特徴: 送信元アドレスが似ている、本文の日本語が不自然、緊急性を煽る文言が使われている、といった特徴があります。
- URLを必ず確認する: 少しでも不審に感じたら、メールやSMSのリンクはクリックせず、公式サイトをブラウザで検索してアクセスしましょう。
- 個人情報を安易に入力しない: 信頼できるサイト以外では、IDやパスワード、クレジットカード情報を入力しないように徹底しましょう。
3. システムを停止させる「DoS攻撃」
DoS攻撃は「Denial of Service attack」の略で、ウェブサイトやサーバーに大量のデータを送りつけ、サービスを停止させることを目的とした攻撃です。
- 手口:
- 攻撃者が一斉にターゲットのサーバーへアクセスすることで、正規のユーザーがアクセスできなくなります。
- 複数のコンピュータを使って行う大規模なDoS攻撃は、DDoS攻撃(Distributed DoS)と呼ばれ、ITパスポートでもよく問われます。
- ファイアウォールを設置する: サーバーへの不正なアクセスをブロックし、防御します。
- セキュリティシステムの導入: 攻撃を検知・防御する専門のシステム(IDS/IPS)を導入します。
4. データを人質にする「ランサムウェア」
ランサムウェアは「Ransom(身代金)」と「Software(ソフトウェア)」を組み合わせた言葉です。コンピュータ内のデータを勝手に暗号化し、元に戻すことと引き換えに金銭を要求するマルウェア(悪意のあるソフトウェア)の一種です。
- 手口:
- メールに添付されたファイルを開く
- 悪意のあるサイトを閲覧する
- USBメモリなどを差し込む
- 特徴: 感染すると、PCの画面に「あなたのデータは暗号化されました。復旧するにはビットコインを支払ってください」といった脅迫文が表示されます。
- データのバックアップを定期的に取る: データのコピーを別の場所に保存しておけば、万が一被害にあってもデータを復旧できます。
- 不審なファイルは開かない: 見知らぬ相手からのメールや、心当たりのない添付ファイルは絶対に開かないようにしましょう。
5. 情報の盗聴と改ざん
インターネット上の通信内容を盗み見たり、内容を改ざんしたりする手口です。
- 手口:
- 盗聴: Wi-Fiなどの無線LAN通信を傍受し、通信内容を盗み見る。
- 改ざん: 送信されたデータを途中で書き換え、偽の情報を送りつける。
- HTTPS通信を利用する: ウェブサイトのアドレスが
https://で始まるか確認しましょう。HTTPSは通信が暗号化されているため、盗聴や改ざんを防ぐことができます。 - 公共のWi-Fiには注意: 公共のWi-Fiはセキュリティが脆弱な場合があるため、重要な個人情報やクレジットカード情報を入力するのは避けましょう。
まとめ:セキュリティは「知識」と「習慣」で守る
ITパスポートの学習でセキュリティの知識を身につけることは、あなたの情報資産を守るための第一歩です。
サイバー攻撃の手口と対策を理解し、日頃からセキュリティを意識した行動を習慣づけることで、あなた自身を守ることができます。
このブログの「超入門講座」を活用して、IT社会を安全に生き抜くための基礎知識を楽しく学んでいきましょう。