ITパスポート試験は、「ITの入門」と言われますが、その合格基準には少し複雑なルールがあることをご存じですか?
「総合評価点600点以上、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上」
この一文をみて、「どういうこと?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。この記事では、ITパスポートの合格基準を分かりやすく深掘り解説し、合格のために知っておくべきポイントをお伝えします。
ITパスポートの採点と合格基準
ITパスポート試験は、全部で100問出題されます。しかし、そのうち採点対象となるのは92問です。残りの8問は、今後出題する問題を評価するために使われる採点対象外の問題です。
合格するためには、以下の2つの基準を両方とも満たす必要があります。
1. 総合評価点:1,000点満点中600点以上
これは、採点対象の92問すべてを含めた試験全体の合計得点が600点以上である必要がある、という基準です。言い換えれば、全体の60%以上の正解率を目指すことが、合格への第一歩です。
2. 分野別評価点:各分野で300点以上
ITパスポート試験は、以下の3つの分野に分かれています。
- ストラテジ系(経営全般):約35問程度
- マネジメント系(IT管理):約20問程度
- テクノロジ系(IT技術):約45問程度
合格するには、この3つの分野すべてで、それぞれ1,000点満点中300点以上を獲得しなければなりません。
この基準は「足切り」とも呼ばれ、特定の分野だけが得意でも合格できないようになっています。ITパスポートは、ITの基礎知識をバランス良く身につけているかを評価する資格です。そのため、苦手な分野を作らないことが合格への重要なポイントになります。
正解数は何問必要?合格ラインの目安
ITパスポートの採点は、IPAが公表している通り「IRT(項目応答理論)」という方式で行われるため、単純な「1問〇点」ではありません。
IRTは、問題の難易度によって配点を調整する採点方式です。例えば、みんなが正解する簡単な問題よりも、正解率が低い難しい問題の方が、配点が高くなる可能性があります。
このため、正確な正解数は公表されていませんが、目安として以下の正解数を確保することを目指しましょう。
| 分野名 | 出題数(目安) | 正解数(目安) |
| ストラテジ系 | 35問 | 約11問以上 |
| マネジメント系 | 20問 | 約7問以上 |
| テクノロジ系 | 45問 | 約21問以上 |
これらの目安は、あくまで最低限のラインです。合格を確実にするためには、各分野で6割以上の正解を目指しましょう。
出題形式と採点の仕組み
ITパスポート試験は、すべて四肢択一式のCBT(Computer Based Testing)方式で行われます。
CBT方式では、問題がコンピュータ上でランダムに出題されます。そして、IPA公式サイトにもあるように、100問中8問は採点対象外となります。
これは、今後出題する問題を評価するための「評価問題」です。どの問題が採点対象外かは受験者には分かりません。そのため、全ての出題に真剣に取り組む必要があります。
この採点方式を理解しておけば、苦手な問題があっても焦らず、全体でバランス良く得点を取ることが重要だと分かります。
まとめ:合格基準を理解して効率的に学ぼう
ITパスポートの合格基準は、総合評価点と分野別評価点の両方を満たすこと。このルールを理解しておけば、闇雲に勉強するのではなく、バランスを意識した効率的な学習計画を立てられます。
このブログの「ITパスポート教科書」は、全ての分野を網羅的に解説しています。各分野を丁寧に学習し、合格を掴み取りましょう。