「プログラミング言語」と聞くと、「なんだか難しそう…」「自分には関係ない」と感じるかもしれません。しかし、私たちは日々、プログラミング言語で作られたシステムやアプリを使っています。
ITパスポートの学習では、実際にプログラミングをするわけではありませんが、プログラミング言語の役割や種類といった基礎知識が問われます。この記事を読めば、ITパスポートの試験はもちろん、IT社会のニュースもより深く理解できるようになるはずです。
1. プログラミング言語は「コンピュータへの指示書」
プログラミング言語とは、一言で言うと「コンピュータに何をしてほしいかを伝えるための言葉」です。
コンピュータは、人間が話す言葉をそのまま理解できません。そのため、コンピュータが理解できる専用の言葉(プログラミング言語)を使って、命令を一つひとつ正確に伝える必要があります。
- 身近な例: 料理人にレシピを渡すようなものです。私たちは「美味しいカレーライスを作って」と口頭で伝えられますが、コンピュータには「玉ねぎを切る」「肉を炒める」「水を加える」といった具体的な手順を、一つひとつ正確に指示する必要があります。
プログラミング言語は、この「コンピュータへの指示書」を作成するための言葉なのです。
2. ITパスポートで問われるプログラミング言語の種類
プログラミング言語には、様々な種類があり、それぞれ得意な分野が異なります。ITパスポートで頻出する、代表的な言語を、その特徴と役割から解説します。
種類1:開発目的による分類
- Web開発向け言語
- 役割: ウェブサイトやウェブアプリケーションを作るための言語です。私たちがブラウザで見ているウェブサイトの見た目や動き、SNSの機能を裏側で動かすために使われます。
- 代表例:
- HTML、CSS:ウェブサイトの「骨組み」と「見た目」を作る言語です。
- JavaScript:ウェブサイトに動きをつけたり、ユーザーの操作に応じて表示を変えたりする役割を担います。
- PHP、Ruby、Python:ウェブサイトのサーバー側で動く言語で、データベースとのやり取りや複雑な処理を行います。
- スマホアプリ開発向け言語
- 役割: iPhoneやAndroidのスマホアプリを作るための言語です。
- 代表例:
- Swift:主にiPhoneやiPadのアプリ開発に使われます。
- Kotlin:主にAndroidのアプリ開発に使われます。
- 業務システム・汎用システム向け言語
- 役割: 企業の基幹システムや、家電製品、ロボットなど、幅広い分野のシステムを作るための言語です。
- 代表例: Java、C言語、C++など。
- 身近な例: 銀行のATMシステムや、家電製品の制御システムなど、多くのシステムで使われています。
3. 高級言語と低級言語:人間とコンピュータの距離
プログラミング言語は、人間にとっての「分かりやすさ」によって、高級言語と低級言語に分類されます。この概念は、ITパスポート試験で特によく問われる重要ポイントです。
- 高級言語(High-level Language)
- 役割: 人間が理解しやすいように作られた言語です。
- 代表例: Python、Java、C言語など、私たちが普段耳にするほとんどの言語がこれに当たります。
- 特徴: 英語の単語や文法に似ているため、学習しやすく、初心者でもコードを書きやすいです。一つの命令で複数の複雑な処理を実行できるため、効率的に開発を進められます。
- 低級言語(Low-level Language)
- 役割: コンピュータが直接理解できる言語に近い、より機械寄りの言語です。
- 代表例: アセンブリ言語、機械語。
- 特徴: 人間には理解しにくい記号や数字の羅列で書かれています。コンピュータが直接処理できるため、高速な動作が可能ですが、開発には高い技術が必要になります。
4. コンパイルとインタプリタ:プログラミング言語の「通訳」
私たちが書いた高級言語は、そのままではコンピュータは理解できません。そこで、コンピュータが理解できる「機械語」に変換するプロセスが必要になります。この変換方法によって、言語はさらに2つのタイプに分けられます。
- コンパイル型:書いたプログラム全体を、一度に機械語に変換するタイプ。
- 代表例: Java、C言語。
- 特徴: 変換に時間がかかりますが、一度変換してしまえば高速に実行できます。
- インタプリタ型:書いたプログラムを、一行ずつ機械語に変換しながら実行するタイプ。
- 代表例: Python、Ruby、JavaScript。
- 特徴: 変換に時間がかからないため、すぐに実行できますが、実行速度はコンパイル型に劣ります。
まとめ:プログラミング言語はIT社会の「共通言語」
プログラミング言語は、コンピュータを動かすための「共通言語」であり、私たちの生活を支える様々なシステムやアプリケーションを作るためのツールです。
実際にプログラミングをするわけではなくても、プログラミング言語の役割や種類、高級言語と低級言語の違い、そしてコンパイルとインタプリタの概念を理解しておくことは、ITパスポート合格だけでなく、IT社会を生き抜く上で重要な教養となります。
このブログの超入門講座を活用して、IT社会の「当たり前」を楽しく学んでいきましょう。